改質リグニンの可能性
昨日は
木の成分から抽出した「改質リグニン」から
車が作れることを紹介しました。
正確には、
自動車用部材の一部が作れると言うべきでしょうか。
japan-energy-lab.hatenablog.com
今回は、その「改質リグニン」の活用法、性質、可能性についてまとめてみます。
こちらの動画を参照しました。
目次です。
1「改質リグニン」の活用法
2「改質リグニン」の性質
3「改質リグニン」の可能性
4 中山間地域の希望
5 余談
1「改質リグニン」の活用法
活用方法は多岐に渡るようです。
・自動車用部材
・電子基板
・炭素繊維
さらに以下のものは石油由来の従来物質より3分の1のコストで使えます。
・3Dプリンターのフィラメント
・基板用フィルム
これら「改質リグニン」の産業規模は1000億円以上という試算もあるようです。
2「改質リグニン」の性質
リグニンはそれまでは未開の原料と呼ばれていたそうです。
原子配列が、広葉樹か針葉樹か・木の立つ場所が平地か斜面か・暑いか寒いか等で、多種多様な全く違う形をしていて、一律に抽出できなかったのです。
しかし、その多様性ゆえに、技術が確立すれば、硬い・柔らかいを操作することもできるそうです。
性質としても、耐熱性・耐燃性に優れています。
3「改質リグニン」の可能性
その可能性を一言で言ってしまえば、
中山間地域に改質リグニン精製の工場が建てられるということです。
・精製が安全 揮発性薬剤も圧力容器も使用しない
・無駄がない 残ったパルプをセルロースとして活用可能
・精製剤の再利用 PEG(ポリエチレングリコール)は再利用可能
杉が利用しやすいようですので、日本の3割ほどを占める杉を有効活用できます。
4 中山間地域の希望
上のように、理想の素材である「改質リグニン」は実用化が早く望まれます。
中山間地域の中には、伐採をしなくなった森林が荒れた場所も増えています。
本来の森林資源を有効活用できる時代になりました!
エネルギー革命で、一気に木材は必要とされなくなりましたが、これからは全く違う未来が待っているかもしれません。
5 余談
例えば、3Dプリンターで家を安く作れるという話もあります。すでにこんな家も
また、こちらの16’35”〜をご覧下さい。
上のサムネイル通り、家が50万円ほどで買える時代がもう来ているのです。
木材を使わない家が増えたら、木を使わないんじゃないの?
そう思うでしょうが、思い出してください。
1章でご紹介した通り
改質リグニンで「3Dプリンターのフィラメント」を作れることを!
木材でなくても、木材繊維の改質リグニンで、全く違う地平がまた見えるかもしれません。
面白い時代になってきましたね!