この世でのドン・キホーテの新しき使命は何か。
それは叫ぶこと、
荒野に叫ぶことである。
たとえ人間が聞かなくとも、荒野が耳を傾ける。
そしてそれはいつの日か音の反響する森へと変化するであろう。
そして種子として荒野にとどまる孤独の声は巨大な杉となり、
その幾万という舌で持って、
生と死を司る主なる神に永遠の賛歌(ホザンナ)を歌うであろう。
(『情熱の哲学 ウナムーノと「生」の闘い』 佐々木孝・著 施行草舟・監修 法政大学出版局 より 「生の悲劇的感情」 ミゲル・デ・ウナムーノ・著 の結びの言葉を引用 )