「骨力」
「根源へ」を読み返す。
造船の大家が
「船というのはその骨力で全てが決まる」と言われたところから、骨力についての考察が始まる。筆者・執行草舟氏は、「生命力を立てる力が骨力」と述べ、その源泉は祈りであり、希望だとも。また、別の視点で老子には「その志を弱くして、その骨を強くす」とも。視野を外に向け、希望を見出すことだと氏は述べる。
骨力とは、平たく言えば生きる力かと感じる。
それは現代的教育的な意味ではなく、真に何があっても年を取っても生きられる力としての骨力だ。
しかし、それは逆説として、死を意識し、超克するところにしかない。
三者はあえて一言で言えば、無頼。
私は人頼みで生きてきて、無頼とは無縁に生きてきた。
無頼のふりをして一つも無頼ではなかった。
これが骨力を弱くしてきた一因だった。
先日の炭焼場未来対話に来ていただいた黒岩さんの姿に刺激を受けた。
一つお手本がそこにはある。
骨力という言葉がぴったりの方でもある。
無頼の生き方だ。
翻って私の周囲の環境は流れが変わりつつある。
その流れを自分のものにできるよう、今から骨力を磨き、情熱とワンセットの受難にも備える。
高校生が父親を殺害する事件が起きた。
悲劇に心を痛める。
もしなんて軽々しくは言えないけど、骨力を育てる環境にあったらあの事件は起きなかったのではないか。原因を一つにできることもできなければ、過去は取り戻せない。
起きたことを受け入れつつ、生きるしかない。
否定はあまりにも辛いから。